LOGIN第300話 俺は何でもできるからな!
美月が目を覚ますと、隣にはもう蓮の姿がなかった。
けれど、ベッドにはまだ温もりが残っていた。出ていってから、それほど時間は経っていないらしい。
時間を確認しようとして、外に目をやった。もうすっかり暗く、かなり遅い時間のようだった。
そこまで考えて、美月は思わず口元を引きつらせた。
――午前中から始まって……午後になってもずっと、あんなことをしていたんだ。
つまり、ほぼ一日中ってことになる。
ったく。
この男の体力、本当にありえない……いや、ありえないどころか、もはや恐怖だった。
最後にこっちが本当に限界だったからよか
第300話 俺は何でもできるからな!美月が目を覚ますと、隣にはもう蓮の姿がなかった。けれど、ベッドにはまだ温もりが残っていた。出ていってから、それほど時間は経っていないらしい。時間を確認しようとして、外に目をやった。もうすっかり暗く、かなり遅い時間のようだった。そこまで考えて、美月は思わず口元を引きつらせた。――午前中から始まって……午後になってもずっと、あんなことをしていたんだ。つまり、ほぼ一日中ってことになる。ったく。この男の体力、本当にありえない……いや、ありえないどころか、もはや恐怖だった。最後にこっちが本当に限界だったからよかったものの、あの男、きっとまだ続けてたに違いない。ぐう、とお腹が鳴り、美月はようやく現実に引き戻された。一日中あれだけ体力を消耗したうえ、昼食も夕食も食べ損ねたのだから、お腹が空くのも当然だった。起き上がって何か食べるものを探そうとした、そのときだった。寝室のドアが開き、あの男が入ってきた。美月は彼を見るなり、思わず白い目を向けた。――やっぱり、まだいたのか。蓮は、美月が目を覚ましたのを見て、嬉しさを隠せなかった。白い目を向けられても、彼にはそれがたまらなく可愛く思えるのだ。蓮は足早にベッドのそばまでやってきた。「お腹が空いたのか? 何か食べたいなら、持
第299話 躁病「本当に会いたかった……」――身を焦がすほどに。蓮の声は甘くとろけるようで、その美しい瞳は美月に釘づけになり、熱を帯びていた。美月は腰に回された手の熱さを、ひどく強く感じた。――熱い。この先に何が待っているのか、考えるまでもなかった。次の瞬間、彼女の唇が蓮の唇で塞がれた……エアコンの設定温度は、蓮がとっくにかなり低くしていた。だが今は、その冷たさがちょうどいい。何しろ、蓮の体温は今にも沸騰しそうなほど上がっていたのだから。二人の服はドアのあたりから一枚、また一枚と床に滑り落ち、ベッドのそばまで点々と続いていた…………「お医者さんを呼ぶって、どういうつもりよ?」優香はひどく怒っていた。――私が病気だって言いたいの?それとも……さっき蓮に精神病扱いされたことを根に持って、本気で私のこと、精神病だと思ってるわけ?悠真は表情を変えなかった。優香が反発することは予想していたので、あらかじめ理由も用意してあった。「お前の傷を診てもらうためだ。そのまま傷跡が残ってもいいのか?」優香は驚いたように目を見開いた。「……お医者さんは、私の傷を診に来たの?」&nbs
第298話 嫌いじゃないなら好きってことじゃないか!二人は三十分ほど歩き回ったが、まだ荘園の半分しか見ていなかった。蓮はそろそろ切り上げたくなり、帰ろうと促した。「もう十分歩いただろ。俺も疲れたし、少し休んでからまた見ればいい。とりあえず戻ろう!」表向きは平然としていたが、内心で何を考えているのかは、本人にしか分からない。美月もそろそろいい頃だと思い、うなずいた。「ええ!」蓮はその返事を聞いただけで、内心嬉しくてたまらなかった。「よし、じゃあ行こう!」二人は歩いている間ずっと手をつないでいた。帰るときも、蓮はその手を離そうとしなかった。二階に上がると、蓮はあることを思い出し、意気揚々と口を開いた。「まずは書斎に行こう!」その言葉を聞いた美月は、彼が何をしようとしているのかすぐに察した。「別に、サインしなくてもいいんじゃない? 誰の名義になっているかなんて、そんなに大事なことかしら?」――もう、こんなにたくさんもらってるのに。これ以上もらうのは、さすがにちょっと……蓮はその言葉を聞いた途端、目の輝きを失った。「お前、そんなに俺のことが嫌いなのか?」美月は困惑したように彼を見つめた。「……どうしてそうなるの? あなたのことが嫌いだったら、そもそもこうして一緒にいるわけないでしょう?」
第297話 二人きりの世界を邪魔されてたまるか「これ、食べてみろ。なかなかうまいぞ」蓮はおかずを一つ、美月の皿に取り分けた。「ここの料理人は本国から呼び寄せたんだ。何でも作れるぞ」「見た目もきれいだし、すごくおいしそうね」美月は言った。蓮はその言葉を聞くと、すぐに促した。「だったら、早く食べてみろよ」美月はうなずき、一口かじった。途端に目がぱっと輝いた。「これ、本当においしいわ!」美月が心から気に入った様子を見て、蓮まで嬉しくなった。――一流の料理人を呼んできて正解だったな。「気に入ったなら、もっと食べろよ。ほかにもいろいろあるぞ。これもなかなかうまいから、食べてみろ。それに、デザートはこっちで雇ったパティシエに作らせたんだ。これもきっと気に入るはずだ」――気に入ったものは、何でも食べさせてやりたい。「うん、自分で取るから、そんなにたくさん取らなくていいわ。あなたも早く食べて」蓮は内心、幸せでたまらなかった。――やっぱり、俺のことを気遣ってくれてるんだな。「食事が終わったら、まず少し休もう。飛行機で来たんだから、疲れただろ? 時差も調整しないとな。目が覚めたら、外に食べに行ってもいいし、ここで食べてもいいし……」「今日はここで食べましょう。あちこち出歩きたくないわ」美月は、その「休もう」という部分だけ、意識して聞
第296話 女にうつつを抜かして、友達も捨てやがって美月は蓮の視線とぶつかり、思わず頬をほんのり赤く染めた。……別に照れているわけではない。ただ、この男の目があまりにも露骨で、何を考えているのか丸分かりなのだ。「なあ……」――ヤバい、このままじゃ。美月は慌てて口を挟んだ。「お腹が空いたわ。ご飯にしましょう」その一言で、蓮のよこしまな考えはあっという間に打ち砕かれた。彼は深く息を吸い、胸の中で騒ぎ立てる欲望を、もう一度必死に押さえ込んだ。「行こう。まずは飯だ」やはり、人間と動物には根本的な違いがある。人間には、自分を律する理性があるのだ。もちろん蓮としては、今この瞬間だけは本気で動物になりたいと思っていたのだが。美月はふと思い出したように言った。「まだ家に電話していなかったわ。先に電話しておくね……」蓮はすぐに答えた。「もう連絡しておいた。食べてから電話すればいい」美月は少し考え、それもそうだと思った。二人は連れ立って階下へ降りていった。翔太はまだ帰っておらず、リビングのソファに座っていた。美月の姿を見ると、やはり一瞬、目を奪われた。だが、蓮の鋭い視線がすぐさま飛んできた。
第295話 嫁に金を使わないで、何のために稼ぐんだ?蓮はすでに美月のそばまで来ていた。彼女の問いにも、気にした様子もなく答えた。「多いか? 全然そんなことないぞ」――まだまだだ。時間さえあれば、デパートを何軒も空っぽにするくらい買い込んでやるのに。それに、ここにあるのは寝室のクローゼットに収まっている分だけだ。廊下を挟んだ向かい側には、さらに大きなクローゼットがある。あっちは彼女にゆっくり探検させてやろう。美月は、部屋いっぱいに並んだ服や靴、帽子、ジュエリーの数々を眺めた。それから蓮の「全然多くない」という言葉を聞いて、呆れてものも言えなかった。――ここに来ることなんて、そう頻繁にはない。それなのに、こんなに大量のものを買い込んで置いておくなんて、もったいないんじゃないかしら。そう思ったことを、そのまま口にした。蓮はすぐに反論した。「お前にプレゼントするものが、どうして無駄なんだ? 一つだって無駄なものなんかないぞ」――たとえ着てくれなくても、そこにあるだけで俺の心は満たされるんだ。美月は言葉を失った。「……」蓮は楽しそうに服を物色し、一着のドレスを選び出した。淡いピンクのロングドレスだった。「今日はこれにしたらどうだ? なかなか似合うと思うぞ」美月は差し出されたドレスに目を向けた。淡いピンクのロングドレスで、デザインもシンプルながら上品だった。







